KYS:020

夢の歌/忘れては

本文:12ページ
価格:700円(税別)

[楽曲解説]

「夢の歌」
 柳原白蓮(伊藤白蓮)の戯曲「指鬘外道」の劇中歌として1920年4月1日に書かれ、その後には劇の付属音楽も山田が手がけている。柳原白蓮は九州の炭鉱王と呼ばれた伊藤伝右衛門の妻でありながら文人としても活躍、三木露風を中心にした文芸サークル「牧神会」の同人でもあった。山田もその同人であったことからお互いに面識があり、白蓮の詩集「几帳のかげ」はかねてより注目していたという。後に書かれることになる「忘れては」はこの詩集からテキストが取られた。「指鬘外道」は初期仏教の教典「阿含経典」において、100人の命を奪い、その指を切り取って鬘に通し、首飾りにしたアングリマーラの物語をモチーフにした作品で、「夢の歌」は第1幕の第3場の後半に舞台の陰から聞こえてくるように唄われた。

「忘れては」
 「夢の歌」と同じ柳原白蓮の詩による歌曲。雑誌「親家庭」編集部からの委嘱によって書かれ、同誌第6巻 第1号に発表された。二節からなる非常にシンプルな詩であるが、山田はここに濃い陰影のある旋律と伴奏をあて、奥行きの深い音楽に仕上げている。白蓮の詩に対して、山田は「情熱的なエクスプレッスィヴなのに、ある興を感じて私はこの詩を好む。読む詩としてではない、唱わるる詩としてである」と語っている が、白蓮の詩への付曲はこの2作のみで終わった。

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