KYO:008

長唄交響曲《鶴亀》
NAGAUTA Symphony“Tsuru-Kame”

演奏時間:18'00''
編成:Pic. - 2 Fl. - 2 Ob. (2ndはE.hrn.に持ち替え) - 2 Cl.in A(2ndはBass Clに持ち替え) - 2 Bn. - 3 Hrn(in F) - 2 Trp.(in A) - Hrp. - 5 Strings - 長唄
レンタル使用料:¥70,000(税別)
ミニチュアスコア(販売):1,600円(税別)

[楽曲解説]

 日本の伝統音楽と西洋音楽の融合は、西洋音楽の流入から後、多くの作曲家によって試みられていることであり、山田耕筰もまたこうした試みを早くから行っていた作曲家である。 長唄にオーケストラを重ね合わせる試みは山田耕筰の他に橋本國彦らによっても行われている。 ただし、橋本達は長唄パートもオーケストラに合わせて手を加えたのと対照的に、山田耕筰は長唄パートには一切手を加えず、 というよりはスコアに残すことすらせず、ただオーケストラパートのみのスコアを書いた。 一体どうやってタイミングを計算しつつ和声やリズムを合わせていったのだろうと、首を傾げざるを得なくなる。 創作の裏が全く解らない作品だ。
 1934年に作曲されたものの、その段階での演奏機会は得られず、1960年に山田耕筰総監督&森正指揮という布陣で録音初演という形で行われた。 パート譜は自筆譜から引き写されたようだが、1960年の段階で自筆譜は失われており、スコアはパート譜から起こされた筆写総譜のみ。 森正氏による長唄パートの採譜の書き込みの形跡が残っている。 ただし、2005年に日本楽劇協会主催のコンサート「山田耕筰の遺産〜日本の交響楽を求めて」で45年振りに蘇演された折の指揮者、 湯浅卓雄氏はさらに独自に採譜、検討を重ねられたようである。
 本稿では、長唄師が使用している縦書き譜と山田自身のスコアを並べながら、 森正氏の書き込みと1960年版の録音音源、 2005年における蘇演のリハーサル、本番、 「日本作曲家選輯/山田耕筰作品集vol.2(NAXOS:8.557971J)」に録音された音源などを参照して、 独自に採譜、編集した長唄パートをガイドとしてスコア下部に挿入することで、少しでも演奏のストレスが緩和されるように努めてある。 長唄師の方によると「鶴亀」は比較的テンポがハッキリしており、このようにオーケストラとの競演には向いている作品ではないかとおっしゃっていたが、 一流のプロの競演はもちろん、アマチュア同士で取り組んでも決して不可能な作品ではないと思われる。


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