KYO:005

舞踊詩《野人創造》
Choreographic Poem“Yajin So-zo”

演奏時間:05'30''
編成:Fl.- Ob. - 2 Cl.in Bb- Tenor Sax.in Bb - 2 Hrn in F - 2 Trp.in Bb - 3 Trb.- Timp. - Snare Drum - Bass Drum - Cymbal - Triangle - 3 Tam-tam - mokugyo - Talacon※ -Piano - Harmonium - 5 Strings
レンタル使用料:40,000円(税別)

[楽曲解説]

 舞踊家石井漠の渡欧記念舞踊公演のために作曲し、1922年11月の同公演において作曲者自身の指揮によって初演された。山田耕筰自身が筋を考え、作曲、振付まで行ったというが、どのような振付がなされたのかは想像するしかない。ただし、この楽曲は自筆譜が残っており、そのスコアの余白には楽曲とリンクするシーンがメモされているほか、おおまかなあらすじは知ることができるために、この楽曲を元にして新たな舞踊を創造することは十分に可能である。しかし、舞踊曲(バレエ音楽?)という当初のコンセプトは置いておき、一つの管弦楽曲として演奏しても、十分に楽しめる作品であり、あまり舞踊を意識せずに取り上げられる楽曲である。
 なお、あらすじは以下の通りである。
 深い森の中で野人と女が出会う。女が逃げ、野人の追跡が始まる。末に野人が女を刺し殺し、野人は血に濡れた小刀を見つめておののく。
 初演の後の演奏記録はないが、2004年の日本楽劇協会主催のコンサート「山田耕筰の遺産〜よみがえる舞踊詩」において、矢崎彦太郎指揮、東京シティフィルハーモニックの演奏により「マグダラのマリア」などと同時に蘇演された。その際には大島早紀子演出・振付、白河直子舞踊という前衛的で豪華な舞踊が付けられている。
 尚、同コンビでのレコーディングもなされている(問い合わせ:日本楽劇協会)。バスーンが使用されていないほか、ハルモニウム(足踏みオルガン)の使用など、若干変則的な編成が取られているものの、小編成の管弦楽でも高い演奏効果が上げられるようなオーケストレーションがなされており、アマチュア・オーケストラにも気軽に取り上げて欲しい作品である。


※Talacon(タラコン)について
 舞踊詩『野人創造』にはTalacon(タラコン)という打楽器が使用されています。現在この楽器についての資料はほとんどなく、現在の所「アジアに源流をおく竹製の打楽器で、夜明けなどを喚起させるような響きがする」というところまでしか判明していません。次いで推測の対象となったのは作曲者の記譜がオクターヴ、もしくは同音のトレモロでされていること。ここから複数の音高があることが想像されます。 同じTalaconを使用してる交響曲『明治頌歌』では、これらの情報を元に2005年の「山田耕筰の遺産」コンサートにおいて、太さ(長さ)の違う2種類の竹(写真参照)を並べ、マリンバのマレットで演奏しました。
 この奏法はTalaconの一つの代用例であり、演奏に際しての参考にして頂ければと思いますが、演奏法はこの他にも考えられると思いますので、それぞれ独自にお考えになってもよろしいかと思います。
 この楽器についてより詳しい情報をお持ちの方はぜひお知らせ下さい。


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